
介護ベッドが必要になったら、まずは購入するかレンタルするかを検討しなければならないでしょう。 介護ベッドが必要になるケースの多くは病院から退院が決まった時。「家で過ごせるようにするには、何が必要なのかな?」そこでまず「介護ベッドが必要?」という疑問に直面します。そんな時にどのような手配や判断をするといいのか書いていきます。
- 介護ベッドはレンタルすべきか買うべきか?
- 介護ベッドを買うならどこのメーカーがいいの?
- 介護ベッドを買うなら1モーター、2モーター、3モーター?
- 介護ベッドをインターネットで買うデメリット
- 介護ベッドをインターネットで買うメリット
1、介護ベッドはレンタルすべきか買うべきか?
まずはレンタルすることを考えましょう。介護ベッドをレンタルするには、介護保険を利用する場合と市町村による独自サービス等を利用する場合とがあります。
1-1 市町村による独自サービス等(※ココは損しない重要ポイント)
市町村による独自サービスは予算・台数に制限があり、すぐに借りることができない場合が多いです。まずそのようなサービスを行っているかどうかは地域の社会福祉協議会等に確認すればわかります。
1-2 介護保険
介護保険を利用してレンタルするには”要介護認定”で要介護2以上と認定されないと借りることができません。
この要件に利用者が入っているかどうかは、担当ケアマネジャーに確認をすればすぐにわかります。
レンタルは基本的には新品ではなく誰かが使っていたものを使用するものと理解した上で、担当のケアマネジャーに連絡をすれば手配してもらえます。介護認定で条件に満たない(介護保険を利用できない)場合や、市町村で独自のサービスを行っておらず、経済的に購入する余裕がないときは一度担当ケアマネジャーに相談してみましょう。
市町村の福祉課にケアマネジャーなどを通して相談すると特例措置で利用できる場合があります。(※ココは損しない重要ポイント)
別途で医療機関の診断書や説明が必要となりますが、このような特例措置も市町村によっては行っています。
また、実は福祉用具レンタル業者が余っている介護ベッド(型落ちや古いもの)を月1,500円程度で貸してくれる(特別価格の自費レンタル)ことがあります。(※ココは損しない重要ポイント)
これは定期的に行われる介護認定で利用者の要介護度が変わり介護保険でレンタルができる対象になった時に、自費レンタルからそのまま介護保険のレンタルにスライドできるというメリットがあり、ケアマネジャーの交渉次第でこういったことが可能となることもあります(あくまでも裏技です)。
ただ、平成27年8月より一部の所得や資産をお持ちの方は2割負担となり、3年程度のレンタル自己負担の合計金額で、安い介護ベッドであれば新品の購入が可能となってきます。
昔は要支援1でも介護保険で介護ベッドのレンタルが可能だったのですが、国の予算不足(高齢化社会へ突入)により現在は制限されています。今後はもっと自己負担が多くなったり、より重度の要介護度でしかレンタル出来なくなる方向に進む可能性が高いです。
2.介護ベッドを買うならどこのメーカー
介護ベッドのNo1メーカーはパラマウントベッドです。パラマウントベッドの病院シェア率はいまだに6割から7割を誇っています。
パラマウントベッドは性能もよいですが 少々価格が高く、経済的に余裕のある方向きです。その他のメーカーのものでも日本の介護ベッドメーカーの製品であれば問題なく使用できますし、介護用として使うリスクを考えて設計されていますのでほぼ安心です。
ただ、介護ベッドではないメーカー(家具メーカー)が作る介護ベッドには気をつけるべきです。
介護用品等に携わってきたメーカーではなく、家具メーカーからの参入も現在は増えてきています。
2-1 介護ベッドメーカーとは
・パラマウントベッド 医療・介護ベッドNo1のメーカーです。機能も充実しております。3年~5年くらいのサイクルで新シリーズが発売されるため最新のベッドを購入しても数年で型落ちになります。
10年前のパラマウントベッド製品でも十分すばらしい機能で、介護ベッドとしての完成度が高いので中古でも安心です。
・パラマウントベッドに次いで プラッツ、シーホネンス、フランスベッド というメーカーがおおむね日本の介護ベッドの大手メーカーです。シェアについては、オープンにしている企業、していない企業があり、はっきりはしていませんが最近 プラッツ は株式上場を果たし在宅介護ベッドで 30%のシェア (パラマウントベッドに次ぐシェア第2位)をとった事を発表しています。
2-2 家具メーカーの介護ベッド
・コイズミ、アテックスなどは家具メーカーです。家具メーカーの製品でもベッドとサイドレールの隙間や機能について高齢者に配慮されているものもありますが、逆に配慮がされていない製品もあります。単に価格で選ぶのではなく、介護ベッドとして設計されているかどうかの確認が必要です。
介護ベッドとしての設計に、サイドレールを設置した状態で首や腕を挟みにくい設計、また折りたたみ式ではない据え置き式ということが挙げられます。
折りたたみができると非常に便利なのですが構造上、腕・指を挟んだりする可能性があります。
健常者の常識が高齢者には通用しないところがあり、思わぬ事故が起きることもあるのです。
2-3 気をつけなければならない点
事故が起きないように配慮されたベッドである必要があります。ただ、シェアNo1のパラマウントベッドでさえ事故が起こることはあります。介護ベッドの使用で多い事故としては首・腕をサイドレールとベッド本体の間に挟んでしまうという事故で、死亡事故となるケースもあります。
3. 介護ベッドを買うなら1モーター・2モーター・3モーター?
1モーターと3モーターを比較するとベッドの高さを自由に変更できるかどうかという点が大きく違います。
3-1 1モーターベッドについて
1モーターは背上げができるタイプで要支援1から要介護1程度の方向きです。高さは組立時に2段階~3段階で設定できるものが多く、ご利用者が座った際に足がしっかり床につく高さにあわせて設定するようにしましょう。1モーターには主に2種類あり、見た目が一般的なベッドのようなマットレス・サイドレール付の軽度の1モーターの介護ベッドと、見た目は2モーター・3モーターとほぼ変わらないスイングアーム介助バーの取付が可能となる1モーターの介護ベッドです。後者は横板フレームの下に金属のフレームが見えこれを嫌う方もいらっしゃいます。
販売実勢価格はいずれも7万から13万ぐらいです。
在宅で介護ベッドが必要になった時に寝たきりになるような要素がなく予算的に抑えておきたいのであれば1モーターの介護ベッドをお奨めします。
3-2 2モーター・3モーターについて
2モーター・3モーターは高さをリモコンで自由に変える事ができます。ここが1モーターと大きく異なる点です。しかし、在宅で使っている方のおよそ65%は一度決めた高さからほとんど変更しないで使用しているというのが実情です。
一時的には家具調の3モーターも流行ったのですが、レンタル事業者からすると運搬等で傷がつきやすくレンタルには不向きという理由で人気がなく樹脂ボードになっていったという経緯があります。
購入するのであればせっかくなので家具調のベッドを置く事をお奨めします。利用者様の精神的な面にもすごくプラスになります。
また、現在の病状が将来も含め寝たきりになってしまう要素を含んでいるのであれば3モーターの介護ベッドの購入をお奨めします。オムツ替えや着替え、介護を行うのであれば介護する側にとっては3モーターが断然楽であり、介護者の負担が凄く変わってきます。
4.介護ベッドをインターネットで買うデメリット
まず、インターネットで買うとちょっとした時に見に来てもらえない事が1番のデメリットになります。
今の製品はどこの商品も壊れることは少なく、動かなくなった場合はコンセントが抜けていたり延長コードの調子が悪かったりといった原因がほとんどですので、そのような時はご家族の方が一度配線等をチェックをしてから連絡した方がよいでしょう。ネット通販の場合は何かあった時に近くに販売してくれた業者がいないという不安が少なからずあります。
また、梱包サイズが大きいので配達時の時間指定ができないところが多いです。この問題は大型の荷物を運ぶとなると一般的な宅配便とは配送業者が異なるということと、配達が販売者でなく配送業者になるということで発生します。
5.介護ベッドをインターネットで買うメリット
5-1 同じ製品でも安く買える
価格がだんぜん安いというメリットがあります。近くの販売事業者では年1台から2台程度の販売台数ですがインターネット事業者は全国が対象となっているので1日2台から5台程度の販売台数となり、近くの販売事業者の1年分を1日で販売していきます。
販売数の違いで仕入れ金額も安くなりますし薄利多売で販売されています。
5-2 独自のサービスを受けられる
メーカーと直接取引をしていますので独自のサービス(3年保証)も無料でつけたりしています。
5-3 たくさんの製品から選ぶことができる
とにかくたくさんの種類から選ぶことができます。近くの販売事業者であれば1メーカーが強いことが多く、フランスベッドばかり、パラマウントベッドばかりなど、売りたい製品をすすめてきますので自由な選択ができなくなります。また顔見知りであれば余計に断ることもできなくなります。インターネット事業者はいろいろな製品を扱っているので1番向いている製品を選び安く買える大きなメリットがあります。
まとめ
中古ベッドで構わないということであればまずはレンタルを考えましょう。対象から外れていても借りられそうないくつかの方法(※ココは損しない重要ポイント)があるので担当のケアマネジャーに相談してみましょう。在宅介護が長くなるときは購入を考え、インターネットで利用者にあった機能とデザインを選んで購入を検討しましょう。 予算・機能に合わせてメーカーを選び、製品を選んでいくといいでしょう。予算を抑えて良い製品を検討したいのであれば相談できるケアマネジャーなどがいる通販会社を選ぶのもひとつの手です。
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