介護ベッド選びでモーター数に迷ったら知っておく6つの事

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介護ベッドを購入することになり、いざ探してみると種類が色々あり過ぎて、どう選んだらいいか分からないといった問題に直面していませんか?

1モーターやら3モーターやら、モーター数の違いなのかな?と、何となくは分かっても、具体的にどう違うのかは誰しも最初はわかりません。ましてや我が家にはどのモーター数が適しているのか悩ましい問題です。

 

今回はモーター数選びに迷った時のポイントをご紹介します。

 

1.介護ベッドのモーター数による機能の違いは?

2.症状別の必要機能

3.要介護度別の必要モーター数

4.予算別

5.使用場所別

6.最も機能がいいものなら間違いない?

 

 

1.介護ベッドのモーター数による機能の違いは?

 介護ベッドには主に次のような機能があります。

 

機能 内容
背上げ
背上げ
背もたれをリクライニング出来る機能です。
およそ0度~75度の範囲内で無段階で調整が可能です。
足上げ
足上げ
脚部の上げ下げが出来る機能です。角度はおよそ0度~25度の間となります。
膝の部分で山型に上がるタイプと、膝下からつま先までがほぼ水平に上がるタイプとがあります。
高さ調節
高さ調節
ベッド全体の高さを調節できる機能です。高さの範囲は製品により異なりますが、床からの高さがおよそ21~64cmの範囲内で無段階で調整が可能です。
垂直昇降するタイプと、円弧状に昇降するタイプとがあります。

 

そして、モーター数により「1(ワン)モーター」、「1+1(ワンプラスワン)モーター」、「2(ツー)モーター」、「3(スリー)モーター」と種類が分かれます。メーカーによってはモーターの機能が異なる場合がありますが、一般的にはモーター数によってそれぞれ下記の機能調節が可能ということになります。

 

モーター数 機能
1モーター 背上げ 背上げ
1+1モーター 背上げ+足上げ 背上げ  足上げ
2モーター 背上げ+高さ 背上げ  高さ調節
3モーター 背上げ+高さ+足上げ 背上げ  足上げ  高さ調節

 

より詳しくご説明していきましょう。

 

  ■  1モーター(背上げ)

背もたれのリクライニングをリモコンで操作することが可能です。

リクライニング最大角度まで無段階で調整ができ、好きな角度で止めて使用が可能です。製品にもよりますが、背もたれに連動して脚部も上下するものが多く、背もたれを上げる際は脚部も上がり、背もたれを下げる際は脚部も下がるといった動きになります。連動して脚部も上がることにより、ご利用者の足方向へのずり落ちの軽減になります。連動を解除することが可能なものもあり、その場合は背もたれのみが上下して脚部はフラットなままとなります。ベッドの高さ設定は組立時に2~3段階のいずれかに設定が可能で、高さを変更する場合はある程度組み立て直す必要があります。

 

  ■  1+1モーター(背上げ+足上げ)

背上げと足上げをそれぞれ個別にリモコンで操作が可能です。

1モーターとの違いは足の上下の操作が単独でできるという点です。単独の操作とは別にリモコンのボタン一つで背上げと足上げを連動させることが可能な製品が多く、例えば連動させて背もたれのリクライニングを起こしきった後に足だけ下げるということも可能です。ベッドの高さ設定については1モーターと同様に組立時に2~3段階のいずれかに設定するようになり、高さを変更する場合は組み立て直す必要があります。

 

  ■   2モーター(背上げ+高さ)

背上げとベッドの高さ調節をリモコンで操作することが可能です。

ベッドの高さについても可動範囲内であれば無段階で調節が可能なため、ご利用者の乗り降りしやすい高さや、介護者が介護しやすい高さに自由に設定が可能です。脚部については背上げに連動して上下し、連動を解除することが可能なものが多く、その場合は脚部はフラットなままとなります。

 

  ■   3モーター(背上げ+高さ+足上げ)

背上げ、ベッドの高さ調節、足上げ のそれぞれを個別にリモコンで操作が可能で、最も多機能な介護ベッドです。2モーターとの違いは、足の上下の単独操作も可能になるという点です。それによってご利用者や介護者に合わせて自由自在に調節できます。

 

 

 

2.症状別の必要機能

 介護ベッドが必要になる理由は様々ですが、ご参考までにこんな時にはこの機能が必要という目安です。

 

・横になった状態から自力での起き上がり、立ち上がりが辛くなってきた → 背上げ

・座った姿勢を維持しにくい → 背上げ

・食べ物を飲み込みづらい、食事中にむせやすい → 背上げ

・食べ物を口から摂取することが難しく経管栄養が必要 → 背上げ

・血流がよくない・足がむくむ → 足上げ

・ベッド生活に慣れておらず畳や床からの高さがあると不安 → 高さ調節

・ベッドから車椅子やポータブルトイレに移乗する → 高さ調節

・寝返りや起き上がりなどに誰かの手を借りる必要がある → 高さ調節

・寝たきりに近い状態 → 高さ調節

・介護する方が腰痛の不安を抱えている → 高さ調節

 

 

 

3.要介護度別の必要モーター数

 ご利用者の状況は一人一人異なるので一概には言えませんが、要介護認定を受けている場合の要介護度による介護ベッドの必要モーター数の目安は次のとおりです。

 

  要支援1・・・1モーター  ~ 1+1モーター

  要支援2・・・1モーター  ~ 1+1モーター

  要介護1・・・1モーター ~ 2モーター

  要介護2・・・1モーター ~ 3モーター

  要介護3・・・2モーター ~ 3モーター

  要介護4・・・2モーター ~ 3モーター

  要介護5・・・2モーター ~ 3モーター

 

 

 

4.予算別

介護生活は他にも色々な介護用品を揃えなければいけなかったりと何かとお金がかかります。ご利用者の状態に合わせた機能の介護ベッドを選ぶことが最も大切ですが、予算も無視することはできません。ここでは最も安く購入できる可能性のあるネット通販という手段で購入する場合の金額別の機能の目安をあげてみます。

 

 6万~10万  ・・・1モーター  ~ 1+1モーター

 10万~15万 ・・・1モーター   ~ 2モーター

 15万~20万 ・・・2モーター  ~ 3モーター

 20万~      ・・・3モーター

 

この金額の目安は新品を購入する場合の金額ですが、中古であればもっと安く販売されており、6万~10万円で3モーターの購入も可能となってきます。

 

 

 

5.使用場所別

介護ベッドを使用する場所によって、ちょっと注意しておかなければいけないポイントがあります。

 

■ 自宅で使用する場合

介護ベッドのリモコンはとても分かりやすく簡単に操作が可能ですが、モーターが増えるごとにリモコンの操作ボタンの数も増えます。自宅にお年寄りしかいない等で、操作に不安がありそうな場合はその点も考慮してみるといいかもしれません。一般的な介護ベッドのリモコンのボタン数は、1モーターが2個~4個、1+1モーターと2モーターが4~6個、3モーターが6~8個となります。

 

また、リモコンで高さ調節が可能な介護ベッド(2モーター・3モーター)には垂直昇降するタイプと円弧状に昇降するタイプとがあり、円弧上に昇降するタイプの場合は、ベッドの設置場所の前後に7~8cm程度のスペースを空けておく必要があります。

 

 

■ 施設等で使用する場合

施設等に入居することになり介護ベッドは自分たちで用意する必要がある場合、施設側から「こういう機能のベッドを用意してください」と指定される場合があります。高さ調節が出来るものを指定されることもあり、そうなると2モーター以上の機能の介護ベッドとなりますので、購入してから実は使用できなかった!ということがないように事前に施設側に介護ベッドの必要条件を確認しましょう。

 

 

 

6.最も機能がいいものなら間違いない?

ベッドを買い替えるとなると何かと大変なので、ご利用者の状態が変化したときでもずっと使えるようにと、どうせ買うなら最初から最も機能の良い3モーターの介護ベッドを購入しておけば安心だし間違いないだろうと思われる方は多いでしょう。そう思うのは当然のことだと思います。買い替えとなると色々と手間がかかります。もとのベッドを処分するにもお金がかかりますし、購入費用が2回生じるわけですから、経済的にもかなりの負担となります。家計を圧迫してご利用者やご家族がさらに大変な思いをされるのではその先に続く介護生活が辛くもなってしまうでしょう。1回の購入で済むに越したことはありません。しかし、だからといって最もいい機能である必要はありません。

 

(1)全ての機能を使うご利用者は少数

せっかく色々な機能が付いていてもその全ての機能を使うことは殆どないと言ってもいいくらいです。例えば身近にあるテレビやパソコン、固定電話、携帯、スマホ、オーブンレンジ、炊飯器・・・どんどん新しい機能が追加されて進化し続けていますが、便利そうだからと買ったものの実際に使用するのはごく限られた機能で、結局使う機能は昔も今もあまり変わらなかったりしませんか?それと同じことが介護ベッドでもいえるのです。介護ベッドも年々進化しており、その分価格も高くなっています。進化させなくていいから値段を安くしてほしいというのがご利用者の多くの方の本音ではないでしょうか。

 

機能のいいものであればいざその機能が必要になった時にもこれで済むという安心感があるので、経済的な問題がなければ最もいい機能の介護ベッドでいいかもしれませんが、足だけ上げる必要性のある方は少ないことから、在宅で使用するなら3モーターでなくても2モーターの機能があれば十分だと思います。

 

 

(2)機能への頼り過ぎに要注意

もう一つ、これはご利用者がある程度ご自身で動くことができる場合のお話ですが、介護ベッドにはご利用者の自立した生活を支援するという重要な役割があり、ご自身で行いづらくなってきた動作や行えなくなった動作を、介護ベッドを利用することによって出来るだけご自身でも行えるようにし、自分らしい生活をおくれるようにするというのが介護ベッドをはじめ福祉用具の本来の目的なのです。

 

例えば、畳敷きの布団から起き上がるのが辛く億劫になってしまったために、毎朝なかなか布団から出ることができずに横になっている時間が長くなってしまったという方が介護ベッドを使用することにより背もたれをリクライニングするだけで毎朝楽に起き上がることができ、それまでの生活を取り戻すことができたり、誰かの手助けがなければ起き上がることが出来なかった方が介護ベッドを使用すれば他の人の手を借りることなく起き上がれるようになったりします。そうなれば肉体的な負担の軽減だけでなく、自分で出来るという喜びから精神的にも大きくプラスに働くことになり、介護ベッドを使用する価値があるといえます。

 

注意しなければいけない点は、今まで自力で出来ていた動作も介護ベッドに必要以上に頼ってしまい、かえって筋力低下等の身体機能の衰えを招いてしまい、場合によっては動けていた方が寝たきりなってしまうこともあるという点です。

 

より機能のいい介護ベッドが使い方次第でプラスにもマイナスにもなってしまうということを踏まえてご検討いただければと思います。

 

 

 まとめ 

ご利用者の立場や介護者の立場から、現在どのようなことで困っているのかを検討し、介護ベッドを使用することにより何を出来るようにしたいのかをイメージしてみましょう。いい機能の介護ベッドを買わなくてはと思う必要はありませんので、ご利用者に必要な機能が備わったものを選んでみてください。また、購入を検討する際に、かかりつけの医師や担当してくれているケアマネージャーがいればどのような機能があればいいか相談してみましょう。ご利用者や介護者にとって心身ともにプラスに働くよう介護ベッドを上手に活用し、その人らしい生活が送れるよう願ってます。

 

 

 

 

 

 

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